サマーコンサートに向けて、着物を作った方がいらっしゃいます。予算の関係でポリエステルの単衣(ひとえ)の着物にしたようです。最初はレンタルにするようなことを言っていたように思います。レンタル代もそこそこ費用がかかりますので、結局は購入することにしたようです。
写真は、1枚は大学の卒業式当日、1枚は大学院時の助演の際のスナップ(随分若いですね)。ハンガーで吊ってあるのは現在の同じ着物の写真です。
この着物は当初、反物代とお仕立て代でそれなりの費用が掛かっていたと思いますが、ン十年経った今でも着られます。実はこの着物、いわゆる”喪服”にあたるのですが、袴と合わせて着ますと、格の高い正装になります。芸大生は今でも演奏の際にはこの”紋付袴”がお揃いの衣裳です。宝塚のようですね。
何が言いたいか、というと、着物は使い回しが利き、高価に思えますが、実はかなりお徳だ、ということです。着物を良く着る方はご存知ですが、おばあさまのお着物は、お手入れが良ければ着られるのです。日本人は昔から、現代では「エコ」と言われることを日常的にしていました。
着物は、古くなった物は染め直しができます。男性物も女性物も普段着等は、今は殆ど見られない丹前(どてら)になったりしました。浴衣も寝間着になり手拭いになり、終には襁褓(おしめ)、雑巾になったのです。
洋服は、余程体型が似かよっていないとおばあさまのお洋服は着られないのです。勿論流行もありますね。着物は昔からある古典柄でしたら、間違いなく着られます。お仕立て直しは少々必要かもしれませんが。最後に付け加えますが、私の着用の袴は、母の袴です。